核心
読み: しょうようろく だいさんじゅうにそく きょうざんしんきょう / ローマ字: Shōyōroku Dai-sanjūni-soku Kyōzan Shinkyō
従容録 第三十二則 仰山心境とは、仰山が僧に、あえて「主体(心)と対象(境)」の分別を仕掛けたのに対し、僧が「何ひとつ存在が見られない」と答えたため、さらなる自己観察を促す公案。一般には、「主観と客観の対立を離れ、一切の事物を空じた絶対無・無分別の悟りの境地を説いたもの」とされるが、本辞典ではこれを、「対象を消し去ったつもりでも『何もないと見ている自己(主観の根)』が残る病を喝破し、空の境地に安住・停滞することなく、再び生々しい日常・差別の現実へ戻って自在にはたらくこと(向上向下一如)こそが真の道である」という、実践的教えとして定義する。
Q&A
- Q: なぜ仰山は、一切を空じた僧に対して「安坐して衣をまとえ」と指示したのですか?
- A: ぜならば、空の境地に引きこもって現実の働きを放棄する病を戒め、空の確信を土台としつつ具体的な日常の実践・行為を身にまとって生きるよう促したからです。