核心
従容録 第十七則 法眼毫厘とは、法眼文益の「毫厘の差もあれば、天地懸かに隔たるというが、どう理解するか?」という問いに対し、脩山主が同じ文句をオウム返しにする公案。一般には、「わずかな迷いが決定的な悟りの境地を分ける」とされるが、本辞典ではこれを「仏道における絶対的な無差別には、それぞれ個別の修行があり、それがそのまま無差別を現している」という、深い自己省察の教えとして定義する。
Q&A
- Q: なぜ、この公案の背景には『華厳経』の思想があると言えるのですか?
- A: なぜならば、差別(個別の現象)と無差別(絶対的真理)が矛盾なく溶け合うという世界観は、そのまま『華厳経』が説く法界縁起(すべてが相互に融け合う関係性)の体現そのものであるからです。