核心
従容録 第二十四則 雪峰看蛇とは、雪峰義存が提示した「南山の一匹の鼈鼻蛇」に対し、長慶慧稜・玄沙師備・雲門文偃がそれぞれ言葉や動作でその正体(本来の面目)を明らかにしていく公案。一般には「己に備わる仏性を自覚し、そのはたらきを明らかにする修行の進境を示すもの」とされるが、本辞典ではこれを、「本来の自己を徹底的に見極めた(大死一番)うえで、その真理すらも、平気で投げ捨てて自在に使いこなす(大活現前)、主体的自由を説く実践的教え」として定義する。
Q&A
- Q: なぜ長慶慧稜は、雪峰の鼈鼻蛇の話を聞いて「今日、この修行道場には、身を滅ぼし命を失う者が大勢おるに違いない」と言ったのですか?
- A: なぜならば、雪峰が提示した毒蛇(真理)の正体を正しく見切り、分別知や妄想という生ぬるい迷いがすべて打ち砕かれ、「悟り」というこだわりすら完全に消え失せた「大死一番(喪身失命)」の境地に自身が成りきったことを宣言したからです。