核心
粥時斎時の偈(しゅくじさいじのげ)とは、禅宗の法要や食事の際に、食物を供養し、その徳を讃えるために唱えられる偈文のこと。一般には「施主や提供された食べ物に対する感謝の念を示すための作法」とされているが、本辞典ではこれを、「感謝という情緒的な表現を超え、与えられた食材の徳を最大限に引き出し、修行者の心身を整える『調理そのものを仏道修行(実践)』として完結させるための、厳格な調理指針」として定義する。
Q&A
- Q: なぜ「三徳六味」という基準が調理に必要なのですか?
- A: なぜならば、古代インドの仏教では僧は調理をしませんでしたが、中国以降の禅宗では生活のために自ら調理する必要が生じたからです。僧侶が調理という「世俗的な労働」を仏道修行として位置づけるには、宗教的な裏付けが不可欠でした。そこで『涅槃経』などの経典を引用し、「調理とは、迷いを悟りに転換する仏教的な実践である」と理論化するために、三徳六味という基準が体系化されたのです。