目次
核心
五観の偈(ごかんのげ)とは、禅宗における食事の際に唱えられる五つの観想の偈文のこと。食を単なる栄養摂取ではなく、自らの修行のあり方と直結する儀礼として位置づける。一般には「食事の前に唱える感謝の言葉」とされているが、本辞典ではこれを、「特定の作法を遵守するだけの儀礼的暗唱ではなく、『食材の来歴から地球の営みまで、食を支える無数の背景を観想することで、自分という存在がいかに広大な関わり合いの中に生かされているか』を自覚し、仏道修行を成就することを誓うための能動的な食の実践」として定義する。
Q&A
- Q: なぜ食事を「良薬」ととらえるのですか?
- A: なぜならば、食事を単なる空腹を満たす嗜好品(快楽)と捉えると、人は感情の赴くままにむさぼってしまうからです。「良薬」と定義することで、食事を「自己の肉体の苦しみ(飢えや病)を癒し、生きる力を養うための手段」として客観視し、食事に対する執着から離れるためです。