核心
転読大般若(てんどく だいはんにゃ)とは、禅宗の祈祷法要において行われる伝統的な読経儀礼のこと。膨大な『大般若波羅蜜多経』全六百巻をすべて読み上げる代わりに、経本をパラパラと繰ることで読誦したこととする。一般には「大般若波羅蜜多経の読経の功徳を得るための儀式」とされているが、本辞典ではこれを、「修行者自らが日ごろから坐禅や持戒の修行をし、身口意(印・真言・観想)を整え、祈りを通じて十六善神や諸仏の守護を仰ぎ、現実世界において仏道を成就するための能動的な実践」として定義する。
Q&A
- Q: なぜ、祈祷を依頼するよりも自分自身で修行するほうが重要なのでしょうか?
- A: なぜならば、仏教における「加持(かじ)」とは、仏の力と修行者の力が合わさることで初めて成立するものだからです。他者に祈祷を頼むのはあくまで補助的な側面であり、戒を守り坐禅を行うという自らの修行(身口意の実践)があってこそ、仏や護法の神々の加護を真に受け取れる状態となるからです。