洒水とは?
洒水とは、道場を結界して清浄にするために行われるものだ。
まず、洒水器と呼ばれる器に水を入れ、それに加持祈祷をし(洒水加持)その水を仏の智慧の水に変える。
その後、この智慧の水を道場(儀式を行う場所)に振りまいて回る。
この時洒水文を唱える。
導師(儀式をやる人)が一人の時は、香を焚き、洒水文を唱えながら一人で洒水をするのだが、人数が揃うならば、香を焚く人と、洒水をする人と、花皿を持つ人で、四角く道場を回る(浄道場)。
英語概要overview
洒水 (Shasui) means sprinkling water to make the practice place pure and sacred.
First, we put water into a bowl called a 洒水器(shasui-ki).
Then we say a prayer over the water.
This prayer changes the water into the Buddha’s wisdom water.
After that, we walk around the practice place,and sprinkle this wisdom water around the hall.
At this time, we chant the 洒水文 (Shasui-text).
If there is only one leader,the leader burns incense and chants the Shasui text
while sprinkling the water alone.
If there are several people,one person burns incense,one person sprinkles water,and one person carries flowers.
They walk around the practice place in a square shape.
This is called purifying the practice hall (浄道場).
This water sprinkling is one part of purifying the hall.
It is often done before a large Buddhist ceremony, but it can also be done in daily life.
This means that you can make your room a practice hall.
原文と読み方 original text & how to reading
楊枝浄水 遍洒三千
性空八徳 利人天
洒水文 原文 original
法界広荘厳 滅罪消愆 火焰化紅蓮
ようしじょうすい へんしゃさんぜん
しょうくうはっとく りにんでん
洒水文 読み方
ほっかいこうしょうごん めつざいしょうえん かえんけぐれん
yoshijosui henshasanzen
洒水文 reading
shokuhattoku rininden
hokkaikoushogon mezzaishoen kaen-keguren
洒水文現代語訳
楊(柳)の枝で清浄な水をそそぎ、
三千大千世界(宇宙全体に広がる無数の世界)すべてに行きわたらせる。
その水は本性として|空《くう》(実体がなく執着の対象ではない)であり、清浄の八つの功徳(八功徳水の特徴)を具え、人間や天人を益する。
洒水文 現代語訳
法界(全宇宙・一切の存在)を広く荘厳(世界を美しく清らかに整える)する。
人々の罪や過ちを滅し消していく。
燃えさかる火焔すらも清らかな紅蓮華に変える。
Sprinkle clean water with a willow branch.
It spreads to all the many worlds in the universe.
The water has no fixed form, but it has good power.
It helps people and heavenly beings. It makes the whole universe pure, beautiful, and bright. It takes away sins and mistakes of people.
Even burning flames change into pure red lotus flowers.
洒水文 Modern English Translation
解説Detailed Explanation
楊(柳)は古代中国において邪気よけなどに使われていた。
また、折柳送別(せつりゅうそうべつ)といって、帰還の祈りを込めて旅人に柳の枝を送ることが多かった。
柳というと、なんだか暗いイメージだが、実は陰陽道でいえば、柳の木は陽。
だから陰である幽霊と一緒に描かれたりする。
また、柳の枝は身口意(しんくい、身と言葉と心)を清めるため、歯を磨く道具としても使われた。
だから楊枝(ようじ)という。
八功徳水とは、極楽浄土に満ちている、澄みきって濁らない、常に清涼で、心身をさわやかにする、味わいが甘美である、軽やかで重苦しくない、柔らかく、なめらかである、うるおいを与え、乾きをいやす、飲んで安らぎ、調和をもたらす、渇きを癒やすだけでなく、根源的な苦悩を除くという8つの特徴を持つ水のことである。
普通の水でも、仏の智慧を持った者が加持をするとこのような功徳のある水に変わるよ、という話だ。
これは、禅宗特有ではなく、浄土信仰から取り入れたものだろう。
洒水(しゃすい)をするにはまず水を智慧の水に変える必要があるのだが、それにはランバン加持(かじ)をする必要がある。
これは伝統的には、仏の知恵をもった僧侶からやりかたを教えてもらうことが必要なのだが、現代の仏教界のありかたにおいては、一般の人が自分の戒律を守る力や禅定の力を根拠とした加持力をもってして、個人的な範囲で、やってもよいのではないかと思う。
この洒水(しゃすい)は、浄道場(じょうどうじょう)の一部であり、大法要の前によく行われるものだが、このように日常で行うこともできる。
つまりは、自宅を道場とするということである。
